「今週の1冊」は、今回で10回目です。
今回は、本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え3」を紹介します。
これは、単行本「ユダヤ人大富豪の教え ふたたびアメリカへ篇」(2011年刊)の文庫本です。
最初の「ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣」(単行本)は2003年に出されているので、「ふたたび~」は、その8年後になります。
1、2と同じく、主人公、ケンによるストーリー仕立てとなっています。ただし、今回のテーマは、仕事やお金ではなく、人間関係です。「感情が、人生のすべてを動かす」と帯に入っています。
この本に出てくる考え方は、本田氏が20年近く前に参加した、カナダ人セラピスト、クリストファー・ムーン氏のセミナーがベースになっています。
人間を4つのタイプに分類し、その組み合わせにより、人間関係が形成されているというものです。
4つのタイプは、2つの軸、「ポジティブ⇔ネガティブ」「自立⇔依存」の組み合わせによる、「ポジティブ・自立」「ポジティブ・依存」「ネガティブ・自立」「ネガティブ・依存」です(図参照)。
それぞれ、下記のような特徴をもっています。
「ポジティブ・自立」
リーダー、社長タイプ、楽観的、エネルギーにあふれている、ヴィジョン指向、問題解決指向、感情から逃げがち
「ポジティブ・依存」
なごみキャラ、場を柔らかくする、人の反応を気にする、ミスをしがち、いじめられっこタイプ
「ネガティブ・自立」
有能な管理者タイプ、チェックが厳しい、完璧主義者、批判的、いつもイライラしている、いじめっこタイプ
「ネガティブ・依存」
共感能力が高い、有能なカウンセラータイプ、芸術的感性、悲観的、自己憐憫、自己批判が強い
どんな人のなかにも、すべてのタイプがあり、相手との関係によって、どれかが引き出されると言います。
相手が「ポジティブ・自立」なら、その対角の「ネガティブ・依存」が、相手が「ネガティブ・自立」なら、やはり対角の「ポジティブ・依存」が引き出されます。
そして、どのタイプもそれぞれに長所と短所を持っており、マトリックスのセンターが望ましい。「マトリックスの使い方は一つだけだ。どんな人とのあいだにも[センター]を見出すこと」と書いてあります。
さらに、次のように書いてあります。
「私たちのほとんどは、感情的にマトリックスの四つの場所を一日中走り回っているようなものです。(略)このドタバタをやめるだけで、どれだけ人生が楽になるか想像してみてください。頑張って人を励ますこともなく、人を批判したり、コントロールする必要もない。誰かに責められることも、助けてもらうだけの弱い存在になることもない。
自分が楽しくやりたいことを自由にやっているだけで、すべてがうまくいく場所。それが、マトリックスの[センター]です」
この本には「マトリックスから見たライフワーク」ということも書いてあります。
ライフワークとは「エネルギーが全開になっている状態」です。
「ポジティブ・自立」
過度に「自分はいける!」と思ってしまいがち。不必要な力をたくさん使い、著しく燃費が悪くなる。
「ポジティブ・依存」
何からやっていいかもわからなくなって、フリーズしたままの状態になってしまう。
「ネガティブ・自立」
いかに自分ができないか、気合が入っていないか、自分を責め立てるようになる。
「ネガティブ・依存」
とうてい無理だと感じて、最初からあきらめてしまう。
これらも、センターに戻るよう努力することにより、力が発揮されます。
センターに戻るとは、「たとえば朝起きたとき、気分どんよりして[ネガティブ依存]に落ちているとしよう。でも、自分の中に[ポジティブ自立]の部分があるのを思い出してイメージする。すると両者が統合され、ワクワクして一日を始めることができる」ということです。
このマトリックスを、ぜひ参考にしてみてください。
次回からは別のテーマで連載予定です。