今週の本は、野口先生「超」シリーズの新刊、「『超』説得法」です。
この方の著書は、「超」シリーズと、日本経済について書かれたものと、大きく2つありますが、どちらもためになります。
とくに後者は、私が言うのも大変失礼ですが、鋭くて「そのとおり、そのとおり」と頷ける部分が多いです。
「『超』説得法」で、野口先生は「ドラッカーを読むより聖書を読もう」などと書かれていますが、日本経済への指摘は、ドラッカーも野口先生も共通しているように感じます。
日本経済に関する指摘は、ダイヤモンドオンラインのコラムがオススメです。⇒ 野口悠紀夫「日銀が引き金を引く日本崩壊」
さて、「『超』説得法」ですが、「一撃で仕留めよ」と書いてあるように、「一撃」で説得する方法です。
本の帯に「沢山投げるのは人の常 一撃突破は(あなたにもできる)神の業」などとも書いてあります。
言葉を尽くして説得するのではなく、適切な言葉で、グサッと説得せよというわけです。
自分の意見を言うとき、自信がないからと、あれこれ言うと、そのなかのもっとも弱い論点が攻撃されてしまう。他の論点が正しくても、弱い論点に突っ込まれ、主張そのものが間違っているかのようになると言います。
「超」説得法のルールは下記の4つ。
シェイクスピアの「マクベス」に出てくる魔女の例も書いてあります。魔女は、王の忠臣をそそのかして、王を殺すというタスクをもっています。
1.注意を引く
相手の名前を呼ぶ。魔女は「グラーミスの領主マクベス万歳!」と声をかけます。
2.関心を持たせる
相手が聞きたいと願っているメッセージを与える。魔女は「コードアの領主マクベス万歳!」と言います。マクベスはコードアの領主ではありませんが、なれる可能性もあり、なりたいという願望が心の中にありました。
3.信頼を獲得する
自分の能力を示す。マクベスは、実際にコードアの領主になり、魔女の言葉を信じます。
4.現実的な目標を示す
最初は現実的な目標を示し、徐々に最終目的に誘導する。
魔女は、最初、「コードアの領主マクベス万歳!」と言ってから、後で「汝はいずれ王になる」と言います。
最初から「王」は、ハードルが高くても、コードアの領主になれたのなら、王にもなれるのではないかとマクベスは思うようになり、最終的に、王殺害に誘導されてしまいます。
魔女の例は、ネガティブなことへの説得ですが、もちろんポジティブな説得に使える方法です。
「聖書をビジネス書として読む」「うまく命名できれば千人力」「悪魔の方法を盗めないか?」など11章から成っています。
面白い本です。