「自由=不安」と「安定=不満」はセットで表裏一体。「自由」をとったら「不安」を、「安定」をとったら「不満」を減らしたほうがいいと前回書きました。
そして今回は、「不満」を減らす方法です。
前々回の「不安にどう対処するか?」で、ネガティブな感情は、私たちに何らかのメッセージを伝えていると書きましたが、「不満」もメッセージを伝えています。
それは、「何かが違う」というメッセージです。
「不満」という言葉通り、満たされていない、納得がいかない、こうあるべきなのにそうなっていない。いずれにしても、何かが違うというわけです。
そこで、何が違うのかというと、「私」の考え・価値観・ルール・常識と、「相手」「実際」が違うのです。
仕事で、休みがとれない、残業が多い、給料が安い、上司の指示が悪い、部下が文句ばかり言って働かない、仕事が終わっていないのに帰る人がいる、主体性がない人が多い、などなど。
夫婦で、相手が協力的でない、連絡しない、自分勝手と、一方が思っていれば、もう一方は、相手が小うるさい、いろいろ要求する、縛ろうとする、自由がない、と思っていたりします。
「相手」「実際」が「私」の思い通りではない。「違う」のです。そして、「違う」ことに納得がいきません。
そのベースにあるのは、私が正しく、相手が間違っている。実際がおかしいという思いです。
「安定」するというのは、何かを選ぶ、たとえば、就職先を選ぶ、結婚相手を選ぶということで、逆にいうと、選ばなかった選択肢は消えてしまいます。
選んだものに縛られる。選んだものの考え・価値観・ルール・常識と四六時中向き合わなければなりません。自分のそれらと完全に一致することは稀なので、どうしても「不満」が生まれます。
けれども、これは、自分側からの見方であって、相手があなたに「不満」を与えようとしているわけではありません。相手も同様に「違う」と思っているかもしれませんし、何も思っていないかもしれません。
そこで、やるべきことは、「調整」です。
事実を確認する。意図や背景を確認する。自分が誤解している場合も少なくないからです。
同時に、自分の望みを明確にする。
そのために、自分ができること、したほうがよいことを考える。柔軟に方法を考える。
建設的に相手と調整する。
自分が相手を選び、相手から自分が選ばれたときのことを思い出し、違う価値観、考えがあることを認め、相手の立場にも立って、いい方法を考えるしかありません。