これからのことで、うまくいくかわからない、どうなるかわからない、というとき、人は落ち着かない気持ち、「不安」になります。
人は、仕事や生活、人間関係など、さまざまなことに対して「不安」を感じます。
この「不安」や、「怒り」「失望」など、ネガティブな感情は、じつは、私たちに何らかのメッセージを伝えています。だから、ネガティブな感情を抑え込まず、メッセージを受け取り、次のステップに向かうことが大事です。
では、不安は、私たちに、どんなメッセージを伝えているのでしょうか?
それは、「準備が必要だ」「見極め(確認)が必要だ」というメッセージです。
たとえば、新しい仕事がうまくいくか、将来どうなるのかわからない、という「不安」は、「できる限りの準備をせよ」というメッセージです。
また、仕事が多くて、ちゃんと片付くかどうかわからない「不安」は、「内容と優先順位を確認せよ」というメッセージです。
さらに、人間関係で、相手がどう思っているのかわからないという「不安」は、相手に確認すれば済むことは「確認せよ」というメッセージであり、同時に「自分のやるべきことを見極めよ」というメッセージでもあります。
人間関係、とくに親しい関係で不安になるとき、「なぜ相手はこういう行動をとるのだろう」「こういう行動をとらないのだろう」と、自分の期待どおりでないことが原因になっていたりします。
けれども、基本的に、自分以外の人は、自分のコントロール下にはなく、期待どおりに考えたり、感じたり、動くとは限りません。
だから、「自分のやるべきことを見極めよ」ということです。
私たちが、何かに対して「不安」に感じるとき、自分で準備したり、対応できる部分と、できない部分があります。
たとえば、新しい取引先との打ち合わせに対して「不安」だから、準備しておくことはできますが、先方が自分を気に入ってくれるかどうかは、コントロールできません。
明日、雨が降るかどうかは、自分でコントロールできませんが、雨に備えて傘を用意することはできます。
自分でコントロールできないことはいくら不安になっても、打つ手がないので、自分でコントロールできる部分に対して準備するしかありません。
アメリカのミシガン大学の研究チームの調査によると、心配事の80%は起こらないといいます。
さらに、準備をすれば、起こる可能性のある20%のうちの80%が防げるとのことです。
つまり、準備をした場合、心配事は20%×20%=4%しか起こらないといえます。
ですから、不安に対しては、自分でコントロールできる部分を見極め、準備すれば、きっと問題ない結果となるでしょう。