ハッピーに過ごすヒント 第3回 「不安」は「自由」とセット

前回、「不安」について書きましたが、「不安」は「自由」とセットになっています。
この先、どうなるかわからないということは、どうにでもなる「自由」があるということです。

birdたとえば、会社を辞めた。この先、不安だ。
ということは、会社のために費やしていた時間が自由になり、別のことができるということです。

将来、どうなるかわからないから、不安だ。
ということは、将来はどういうふうにもなる可能性がある。自由があるということです。

独立起業した。うまくいくか、不安だ。
自分のビジネスなので、業務内容、やり方、お客さんなど、自分で決められる。
うまくいくよう、自分で工夫する自由があるということです。

「自由=不安定=不安」です。

逆に、「安定」は「不自由」「不満」とセットになっています。

「安定=不自由=不満」です。

会社に就職した。安定しますが、会社のために時間や労力を費やす必要があります。会社のルールにも従わなければなりません。
ある意味、会社に縛られ、不自由です。「残業が多い」「給与が安い」「上司が無能だ」など、不満が生まれます。

「自由=不安」と「安定=不満」はセット、表裏一体です。

「自由」と「安定」、自分がどちらを望んでいるのか、どちらが向いているか、考えて、合うほうを選択したほうがよいと思います。

そして、「自由」をとったのなら、「不安」は前回の方法で減らす。
「安定」をとったのなら、「不満」を減らす。
その方法は? ということで、次回は、不満の減らし方です。

ハッピーに過ごすヒント 第2回 不安にどう対処するか?

deadlineこれからのことで、うまくいくかわからない、どうなるかわからない、というとき、人は落ち着かない気持ち、「不安」になります。
人は、仕事や生活、人間関係など、さまざまなことに対して「不安」を感じます。

この「不安」や、「怒り」「失望」など、ネガティブな感情は、じつは、私たちに何らかのメッセージを伝えています。だから、ネガティブな感情を抑え込まず、メッセージを受け取り、次のステップに向かうことが大事です。

では、不安は、私たちに、どんなメッセージを伝えているのでしょうか?

それは、「準備が必要だ」「見極め(確認)が必要だ」というメッセージです。

たとえば、新しい仕事がうまくいくか、将来どうなるのかわからない、という「不安」は、「できる限りの準備をせよ」というメッセージです。

また、仕事が多くて、ちゃんと片付くかどうかわからない「不安」は、「内容と優先順位を確認せよ」というメッセージです。

さらに、人間関係で、相手がどう思っているのかわからないという「不安」は、相手に確認すれば済むことは「確認せよ」というメッセージであり、同時に「自分のやるべきことを見極めよ」というメッセージでもあります。

人間関係、とくに親しい関係で不安になるとき、「なぜ相手はこういう行動をとるのだろう」「こういう行動をとらないのだろう」と、自分の期待どおりでないことが原因になっていたりします。
けれども、基本的に、自分以外の人は、自分のコントロール下にはなく、期待どおりに考えたり、感じたり、動くとは限りません。
だから、「自分のやるべきことを見極めよ」ということです。

私たちが、何かに対して「不安」に感じるとき、自分で準備したり、対応できる部分と、できない部分があります。

たとえば、新しい取引先との打ち合わせに対して「不安」だから、準備しておくことはできますが、先方が自分を気に入ってくれるかどうかは、コントロールできません。

明日、雨が降るかどうかは、自分でコントロールできませんが、雨に備えて傘を用意することはできます。

自分でコントロールできないことはいくら不安になっても、打つ手がないので、自分でコントロールできる部分に対して準備するしかありません。

アメリカのミシガン大学の研究チームの調査によると心配事の80%は起こらないといいます。
さらに、準備をすれば、起こる可能性のある20%のうちの80%が防げるとのことです。
つまり、準備をした場合、心配事は20%×20%=4%しか起こらないといえます。

ですから、不安に対しては、自分でコントロールできる部分を見極め、準備すれば、きっと問題ない結果となるでしょう。

ハッピーに過ごすヒント 第1回 新月に願い事を書こう

今回から「ハッピーに過ごすヒント」というテーマで書きます。

今日は、16:14から新月です。
新月のスタートから48時間以内(明後日の16:14まで)に願い事を書くと叶いやすいと言われているため、紙に願い事を書きましょう。

Writing a Letter

なぜ、新月に願い事を書くと叶いやすいのでしょうか?

新月は、月が見えない状態ですが、月がないところから満月に向けてだんだん満ちていくため、昔の人が、スタートから発展へのイメージをしやすかったためだと言われています。

そして、太陰暦(旧暦)では、新月が月初(1日)でしたので、月初に、これからのビジョンを描き、文字で書くことに大きな意味がありました。
ちなみに今日は、太陰暦では6月1日です。

大切なことは「書くこと」。

新月の願い事に限らず、ビジョンや計画、アイデアや考えなどは、頭で考えるだけでなく「書くこと」が大切だと言われています。

頭の中だけだと、どんどん忘れてしまいますが、書くことにより残ります。
また、書くことで、頭の中のイメージが具体的で明確になります。
さらに、複数の事柄が一度に見られるので、重要度や、優先度などの順番がつけやすくなります。

そして、大切なのは、書くことが「願望」であり、「今月の目標」ではないということ。

「目標」より「願望」のほうが、本当の気持ちであり、より大きなこと、難しいことでもあります。
普段、「それは無理」「達成できるよう、目標を下げておこう」と、知らず知らずのうちにかけている心のブレーキが外れやすく、本来人間がもつ力、可能性が働きやすくなります。

ゆえに、新月に願い事を書くと叶いやすいのは、迷信ではなく、脳科学的にも理屈に合っていることなのです。

そして、書き方として、「〇〇になりたい」「〇〇したい」という書き方ではなく、「〇〇になっています。ありがとうございます」「〇〇です。よい気分です」という、既に実現したような書き方のほうが、効果が高いと言われています。

このような言い方を「アファメーション(affirmation…断言、確約)」といいますが、断言することで、より強い気持ちと決意が生まれ、実現の可能性が高まります。これも、脳科学的な理屈に合っているようです。

さて、占星術では、月の角度に関係するボイドタイムという時間があり、判断力が落ちるので、決断や願い事を書くのには向かないと言われています。

今回の新月のボイドタイムは、今日(8日)の20:43~明日(9日)の19:48。

ボイドタイムに願い事を考えてはいけないということではなく、決めて書くのは、この時間を避けたほうがいいということです。

下記の時間に、願い事を書いてみましょう!

7/8(月)16:14~20:42
7/9(火)19:49~7/10(水)16:14

今週の1冊:ユダヤ人大富豪の教え3

「ユダヤ人大富豪の教え3 人間関係を築く8つのレッスン」 本田 健著 だいわ文庫(大和書房) 2013年4月刊
「ユダヤ人大富豪の教え3 人間関係を築く8つのレッスン」
本田 健著 だいわ文庫(大和書房) 2013年4月刊

「今週の1冊」は、今回で10回目です。

今回は、本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え3」を紹介します。

これは、単行本「ユダヤ人大富豪の教え ふたたびアメリカへ篇」(2011年刊)の文庫本です。
最初の「ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣」(単行本)は2003年に出されているので、「ふたたび~」は、その8年後になります。

1、2と同じく、主人公、ケンによるストーリー仕立てとなっています。ただし、今回のテーマは、仕事やお金ではなく、人間関係です。「感情が、人生のすべてを動かす」と帯に入っています。

この本に出てくる考え方は、本田氏が20年近く前に参加した、カナダ人セラピスト、クリストファー・ムーン氏のセミナーがベースになっています。
人間を4つのタイプに分類し、その組み合わせにより、人間関係が形成されているというものです。

マトリックス4つのタイプは、2つの軸、「ポジティブ⇔ネガティブ」「自立⇔依存」の組み合わせによる、「ポジティブ・自立」「ポジティブ・依存」「ネガティブ・自立」「ネガティブ・依存」です(図参照)。

それぞれ、下記のような特徴をもっています。

「ポジティブ・自立」
リーダー、社長タイプ、楽観的、エネルギーにあふれている、ヴィジョン指向、問題解決指向、感情から逃げがち

「ポジティブ・依存」
なごみキャラ、場を柔らかくする、人の反応を気にする、ミスをしがち、いじめられっこタイプ

「ネガティブ・自立」
有能な管理者タイプ、チェックが厳しい、完璧主義者、批判的、いつもイライラしている、いじめっこタイプ

「ネガティブ・依存」
共感能力が高い、有能なカウンセラータイプ、芸術的感性、悲観的、自己憐憫、自己批判が強い

どんな人のなかにも、すべてのタイプがあり、相手との関係によって、どれかが引き出されると言います。
相手が「ポジティブ・自立」なら、その対角の「ネガティブ・依存」が、相手が「ネガティブ・自立」なら、やはり対角の「ポジティブ・依存」が引き出されます。

そして、どのタイプもそれぞれに長所と短所を持っており、マトリックスのセンターが望ましい。「マトリックスの使い方は一つだけだ。どんな人とのあいだにも[センター]を見出すこと」と書いてあります。

さらに、次のように書いてあります。

「私たちのほとんどは、感情的にマトリックスの四つの場所を一日中走り回っているようなものです。(略)このドタバタをやめるだけで、どれだけ人生が楽になるか想像してみてください。頑張って人を励ますこともなく、人を批判したり、コントロールする必要もない。誰かに責められることも、助けてもらうだけの弱い存在になることもない。
自分が楽しくやりたいことを自由にやっているだけで、すべてがうまくいく場所。それが、マトリックスの[センター]です」

この本には「マトリックスから見たライフワーク」ということも書いてあります。
ライフワークとは「エネルギーが全開になっている状態」です。

「ポジティブ・自立」
過度に「自分はいける!」と思ってしまいがち。不必要な力をたくさん使い、著しく燃費が悪くなる。

「ポジティブ・依存」
何からやっていいかもわからなくなって、フリーズしたままの状態になってしまう。

「ネガティブ・自立」
いかに自分ができないか、気合が入っていないか、自分を責め立てるようになる。

「ネガティブ・依存」
とうてい無理だと感じて、最初からあきらめてしまう。

これらも、センターに戻るよう努力することにより、力が発揮されます。

センターに戻るとは、「たとえば朝起きたとき、気分どんよりして[ネガティブ依存]に落ちているとしよう。でも、自分の中に[ポジティブ自立]の部分があるのを思い出してイメージする。すると両者が統合され、ワクワクして一日を始めることができる」ということです。

このマトリックスを、ぜひ参考にしてみてください。

次回からは別のテーマで連載予定です。

今週の1冊:たった1分で人生が変わる片づけの習慣

たった1分で人生が変わる片づけの習慣 小松易著 中経出版 2009年12月刊
たった1分で人生が変わる片づけの習慣
小松易著 中経出版 2009年12月刊

「片づけ」は、随分前から女性誌の「定番中の定番」のテーマです。
私が大学を卒業して、出版社で働き始めた頃、既に「重鎮的テーマ」でした。

けれども、あるときから、「片づけ」が単に「片づけ」という作業ではなく、「人生」と結びつけたテーマで語られるようになりました。すなわち、片づけると人生がよくなるというのです。これは、確かにそういう側面はあります。

そして、お掃除ではなく、片づけのプロが登場するようになり、テレビなどのマスコミで華々しく取り上げられるよになってきました。

さて、この本は2009年12月に出版された本で、片づけ本としては、それほど新しくはありません。
けれども、この本を見たとき、本の作り方、編集者の仕事の仕方に「やるな~」と感じました。

私の「文章の書き方講座」にいらした方には言いましたが、本は、まずタイトルと帯から作ります。中身は後です。
そして「3秒ルール」、つまり、見て3秒でピンと来ないといけません。

それでいうとじつにうまい。

タイトルが「たった1分で人生が変わる」。帯は「夢がかなう人の机はなぜ美しいか?」「片づけ下手な『あの人』にもすすめてあげてください」ですよ。
そして、「日本初の『かたづけ士』」と書いてあります。

このあたり、売れ筋本のルールに則っているのです。

そして、裏表紙、表紙を開けたところ、ぺらぺらとめくったところ、レイアウト、構成、さまざまなところに「売れる本」の工夫がされています。

案の定、この本は売れ、2012年11月に文庫本も出ています。また、この方は、他にも片づけの本をたくさん出されています。

内容は、大きく3つの構成と44の項目からできています。

3つの構成は、下記です。
1.人生が変わる!「片づけ」のはかりしれないパワー
2.意外と知らない 片づけの基本とコツ
3.もうリバウンド知らず! 片づけを習慣化する方法

ツナグバの本棚に置いておくので、興味のある方はご覧ください。

裏表紙には「感謝の声、続々!」と、帯には3つの構成が入っています
裏表紙には「感謝の声、続々!」と、帯には3つの構成が入っています
扉(表紙の裏)には「読むと片づけがしたくなってくる不思議な本です」というキャッチが
扉(表紙の裏)には「読むと片づけがしたくなってくる不思議な本です」というキャッチが
ぺらぺらとめくると、まず最初にこの本で言いたいことがシンプルにまとめられています
ぺらぺらとめくると、まず最初にこの本で言いたいことがシンプルにまとめられています
書いてあるのは
「なんだか、いろいろ、うまくいかないなあ……」というとき、
シンプルでわかりやすい
シンプルでわかりやすい
書いてあるのは、
あなたの身のまわりは、こんな状態ではありませんか?
見やすいレイアウト
見やすいレイアウト

 

今週の1冊:3歳までの育て方で子どもの脳は決まる!

3歳までの育て方で子どもの脳は決まる!
3歳までの育て方で子どもの脳は決まる!
大島七々三、中島真紀著
PHP研究所 2012年12月刊

この本の著者の一人、大島七々三氏は、社会起業家やソーシャルビジネスの本を書いているノンフィクションライターで、私がビジネス誌の仕事をしていたときの仲間でもあります。

この「3歳までの育て方~」の本は、「TOEベビーパーク」という、0~3歳の子どものための親子教室の話ですが、なかなか興味深いものがあります。

もう一人の著者、中島真紀氏がその教室の創始者ですが、中島氏は小学校教諭としてのキャリアをもっています。
教師生活のなかでのアイデアをもとに2人の子どもを育て、その子育ての方法をベースにしたのが、「TOEベビーパーク」です。

この教室の特徴は「叱らない育児」

中島氏によれば、3歳までの子どもは、学びたいという本能からくる「探究反射」が強い。そのため、0歳児はなんでもなめ、1歳児は引き出しを次々に開け、2歳児は走り回ったり高いところに登ったりと、大人から見ると困ったことばかりをする。

その学びたい本能を妨げると、脳内のシナプスや神経細胞が発達する機会を失ってしまう。

そのため、叱らず、かつ、子どもが危険にならないよう、まわりの迷惑にならないよう、大人が配慮することが大切だと言います。

子どもの脳は「海馬」が育っていないので、叱ってもしつけにならない。なぜ叱られたのかという記憶が残らず、ただ「不快・嫌悪・恐怖」しか残らないと言います。

中島氏は「20歳の人間に話す理屈は、噛み砕けば6歳にも通用するけれど、6歳未満には通用しません。6歳までの育児というのは、まるで動物をどうやって人間に変えるか、というようなものです」と言っています。

そういった子どもの特徴を知って、子どもの能力を伸ばすとともに、親にとっても育児を楽しんでもらうというのが、中島氏のメソッドのようです。

「TOEメソッドのすべてをごくシンプルにまとめると次の5項目に集約できます」ということで、書いてあるのが、次のこと。

1 愛情を伝える…目を見つめる、肌に触れる、言葉で伝える
2 対話(ダイアログ)を教える…喃語対話、子ども語訳(「お片付けして」ではなく、「積み木 箱に 入れて」)
3 身体の正しい発達を促す…全身運動、スタビリティ・トレーニング(バランス維持)、その他
4 さまざまな知識を与える
5 社会の仕組みと向上心を教える

親にとって大事なことは「自分の思いや考えだけで子どもをどうにかしようとするのではなく、子どもが発している情報を敏感に感じ取って、そこから無理なく自然に、一つずつ発達、成長するように誘導してあげることなんです」という中島氏。

本書の言う「子どもを育てるということは、親が成長すること」は、0~3歳児に限らず、そのとおりだと思います。