私は以前、経営コンサルティング会社で働いていたのですが、「企業経営で成功するために大切なこと」として、この会社のみならず、他の会社でもよく言われていることがありました。
これは、コンサルタントのみならず、うまくいっている経営者はほぼ皆、言っていました。
それは何かと言うと、「経営者が『自分の会社をどんな企業にしたいか』というビジョンが明確」「トップが何をしたいかわかっている」ということです。
えっ、そんなの当然だろう、と思うかもしれませんが、そうでもありません。
10年後の自社の姿、5年後、3年後、いや1年後でもいいので、自社の理想の姿をイメージできているかどうか?
「このご時世なので、何とも言えない」「今、なんとかやっていくだけでも大変なのに、イメージなんかできない」という経営者も少なくありません。
さらに、「企業経営で成功するためには、大きなビジョンをもつこと」というのも、よく言われます。
けれども、「うまくいってないのに、理想とか大きなビジョンとか言われても困る」と言う経営者もいます。
しかし、会社の状況がどうであれ、やはり「行き先(ビジョン・理想・やりたいこと)が明確」で、それらが「難しいほどうまくいく」というのは、言えているのです。
そして、これは企業経営に限らず、個人の生き方にも似たようなことが言えます。
将来、5年後、3年後、1年後の自分の理想の姿が明確にイメージできていれば、人は意識を集中させている方向に自動的に進んでいくため、それに近づきます。
駅で、行き先を決めて、その電車に乗れば、そこに着くというようなものです。
さらに、高いレベルは難しいから、低いレベルでいい、と思った瞬間、そこに上限がフォーカスされます。
100点を目指せば、もしうまくいかなくても80点ぐらいはとれるけれども、60点でいいと思えば、40点になってしまうということです。
大きなビジョンを描く、すなわち、現在の自分にとって難しいことを目指す場合、気を引き締め、きちんと考え、戦略を練り、計画を立て、最大限の努力をする必要があり、かえってうまくいく場合が多いのです。
そして、「現状維持できれば、それでいい」「うまくいくとは思えない」と、守りに入り、トライしないことで、むしろ、成功の確率を低くしているのです。
行き先を決め、特急に乗れば、遠いところでも着くのに、行き先を決めず、駅をうろうろしても、どこにも着かないというようなものです。
あなたの行き先はどこですか?